2015年7月16日に Aterm MR04LN が発売されました。最強 LTE ルータとして人気の MR03LN の発売からおよそ 1 年半、満を持しての後継機の登場です。さっそく購入し 1 週間くらい使ってみたので感想をレビューします。SIM は IIJmio を使いました。
MR04LN は、大きさ、重量、バッテリーの持ちはそのままに、中身が大きく進化しています。キャリアアグリゲーション対応などの目玉機能が取り上げられることが多いですが、他にも細かいところで改良が施され、使い勝手が向上しています。
MR04LN と MR03LN の違いはどこにあるのか?どちらを買ったらいいのか?前機種 MR03LN を 1 年半使い倒した私が疑問にお応えします。
目次
- キャリアアグリゲーションと屋外での 5GHz に対応
- IIJmio では通信速度はあまり変わらなかった
- SIM フリー化と対応バンドの増加、海外 LTE 対応
- SIM を 2 枚挿せるようになった
- 充電池カバーが開けやすくなった
- タッチパネルがスライド操作に対応した
- 初期設定でとりあえずネットにつなぐだけなら PC が不要になった
- ロングライフ充電に対応した
- Wi-Fi と bluetooth を同時に利用できるようになった
- USB テザリングを無効にできるようになった
- MR04LN と MR03LN どちらを買ったらいいのか
- クレードルは今回、購入見送り
前機種のレビューも参考にどうぞ。良い所はそのまま残っています。
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キャリアアグリゲーションと屋外での 5GHz に対応
キャリアアグリゲーションに対応し、周波数の異なる電波を同時に使うことによって通信速度と通信の切れにくさが向上しました。さらに屋外でも 5GHz 帯が使えるようになり、無線 LAN の混線を緩和することができるようになりました。
屋外の 5GHz 対応は嬉しいですが、使い勝手がイマイチです。屋内・屋外ともに 5GHz を有効にするには端末操作が必要なうえ、屋外 5GHz は有効化に 1 分ほどかかります。
IIJmio では通信速度はあまり変わらなかった
平日の 23:00 頃に MR03LN と MR04LN の通信速度を比較してみました。東京都内の多摩地区の自宅で、SIM カードは同じものを使用しました。
残念ながら IIJmio の SIM では、MR03LN と比べて通信速度に大きな変化は見られませんでした。
MR03LN
日付 | ダウンロード (Mbps) | アップロード (Mbps) | PING (ms) |
---|---|---|---|
2015/7/27 23:04 | 8.41 | 1.79 | 43 |
2015/7/27 23:05 | 9.43 | 1.23 | 63 |
2015/7/27 23:06 | 12.88 | 0.82 | 62 |
MR04LN
日付 | ダウンロード (Mbps) | アップロード (Mbps) | PING (ms) |
---|---|---|---|
2015/7/27 23:08 | 10.67 | 1.05 | 58 |
2015/7/27 23:09 | 8.27 | 1.19 | 56 |
2015/7/27 23:10 | 10.08 | 1.32 | 59 |
Aterm®MR04LNユーザーズマニュアルの Wi-Fi通信を安定させたい や Wi-Fiの通信速度を向上させたい を見ながら ECO モードを無効にしたり、5GHz にしたり、いろいろやってみましたが速度は大きく向上はしませんでした。
OCN など他の MVNO は確認していませんが MVNO で速度が出ないのは仕方ないのかなと思っています。その分、値段が抑えめなわけですし。docomo と直接契約した SIM だと効果を実感できるかもしれません。
SIM フリー化と対応バンドの増加、海外 LTE 対応
MR03LN では 国内は docomo と Softbank のみ利用可能で au は利用できませんでしたが、MR04LN からは SIM フリーになり、すべてのキャリアが利用できるようになりました。対応バンドも追加され(下表の青色が追加されたバンド)、docomo、au、Softbank が使用している全ての LTE Band に対応しました。
また海外は 3G だけでしたが、LTE も利用できるようになりました。海外での利用を考えている方は朗報ですね。
LTE Band | docomo | au | SoftBank |
---|---|---|---|
1 | ◯ | ◯ | ◯ |
3 | ◯ | ◯ | |
8 | ◯ | ||
11 | ◯ | ||
18 | ◯ | ||
19 | ◯ | ||
21 | ◯ | ||
17 |
SIM を 2 枚挿せるようになった
SIM を 2 枚挿せるようになりました。
SIM スロットの位置も代わり、バッテリーを外さなくても SIM の抜き差しができるようになりました。
私の用途ではデュアル SIM は不要ですが、無理やり使うとしたら IIJmio の ファミリーシェアプランの SIM を 2 枚挿して、バンドルクーポン OFF 時の 3日あたりの通信量 366MB 制限を回避するのに使えるかなと思っています。SIM の切り替えに 1 分くらい待たされますが、許容範囲です。
充電池カバーが開けやすくなった
MR03LN の充電池カバーは非常に取り外しずらく「壊れるんじゃないか」と思いながら作業していましたが、MR04LN は充電池カバーが外しやすくなりました。
余談ですが、前機種の MR03LN ユーザーズマニュアル 充電池カバーの取り外しかた に書かれている「NEC マークを押さえながら外す」という表現は素晴らしいと思います。電池カバーを外すときにいつも頭に浮かぶんですよね。名言です。
タッチパネルがスライド操作に対応した
MR03LN のタッチパネルはタップ操作しかできませんでしたが、MR04LN ではスライド操作ができるようになりました。相変わらずタッチパネルの反応は良くありませんが、上下ボタンをポチポチするより楽に操作できるようになりました。
初期設定でとりあえずネットにつなぐだけなら PC が不要になった
初期設定がウィザード化され、「とりあえずネットにつなぐ」ところまでなら PC 無しでできるようになりました。MR04LN を入手したら箱を開けて SIM をセットし、電源を入れて手元のマニュアルを見ながら MR04LN を 10 分くらいポチポチすればネットにつながります。
マニュアルによると APN の設定は各社のプリセットが用意されていて、それを選択するだけで簡単にセットアップできそうでしたが、私の機器ではプリセットが
表示されなかったので手動で IIJmio の APN を設定しました。
ロングライフ充電に対応した
充電を 70% で止める「ロングライフ充電」機能が追加されました。NEC の MiMAX ルータではおなじみの機能ですね。有効にしておくとバッテリーに優しいらしいです。クレードルを使って固定回線のルータの代わりに使う時に有効にしておくのが良さそうです。自宅で充電しながら使用しているとき、バッテリーがずっと 100% に張り付いているのってなんか気になるんですよね。
ちなみにバッテリーは別売されていて交換可能です。MR03LN のバッテリーと同じっぽいです。
充電池パック(AL1-003988)【保守品】- Shop@Aterm
Wi-Fi と bluetooth を同時に利用できるようになった
MR03LN では Wi-Fi と bluetooth はどちらかひとつしか有効にできませんでしたが、MR04LN では両方同時に利用できるようになりました。PC は Wi-Fi で通信、iPad は bluetooth で通信、なんてことができます。
USB テザリングを無効にできるようになった
MR03LN では、USB 接続すると強制的に USB テザリング状態になっていましたが、テザリングを無効にして充電だけできるようになりました。職場の PC の USB でこっそり充電するときに PC 側で小細工をする必要がなくなりました。
MR04LN と MR03LN どちらを買ったらいいのか
ちょっと高いけど MR04LN を買っておきましょう。
docomo MVNO での利用を考えていて、「とにかく安いほうがいい」方は MR03LN でもいいと思います。正直なところ、MVNO で利用するなら MR03LN で十分事足ります。
新しいもの好き、キャリアアグリゲーションを体感したい、少し高くても良いものを、という方は MR04LN ですね。注目の新機能もさることながら、前機種と比べ、本当に使いやすくなっています。今後 FW 更新でさらに快適になる可能性もあります。MR04LN を使った後では MR03LN に戻れません。差額は 5,000 円ほどですが、投資する価値はあります。
クレードルは今回、購入見送り
MR03LN のときは購入したクレードル、今回は予算の都合もあり、購入を見送りました。MR03LN は本体をカバンに入れっぱなしで出先での充電が多く、たまに自宅で充電するときもクレードルはほとんど使わなかったからです。外出時メインの用途では不要でした。
自宅の固定回線のルータが無線 LAN に対応していない方は、クレードルを買ってもいいかもしれません。クレードルに LAN ケーブルを接続することで MR04LN が無線 LAN のアクセスポイントになります。11ac に対応しているので、高速に通信ができます。
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